音風景・夕張

ユーパロ谷 気まぐれ日記

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2009年4月

 2009年 4月27日 (月)
 【 償い 】
 テレビでこの数日さんざん報道された某芸能人の泥酔全裸事件。 酒の上の不埒は、程度の差こそあれ
 誰しも経験があるところで、別にここまで騒がなくても、と思うのは私だけではないでしょう。 幸い
 誰かを傷つけたわけでもなし、もう勘弁してあげたらって気がします。 

 少なくとも厚顔な政治家に「最低の人間だ」呼ばわりされるほどでも、尿検査で異状がなかったのにも
 拘わらず家宅捜索までされちゃうほどでもないような。 まあこれも有名税の範疇なのかもしれません
 が、深酒の代償はずいぶん大きかったようです。 それにしても・・・他にニュースはないのかね?
 


 さて、今月に入って今日まで10回この日記を書きました。 たぶんほとんどの方は気付かなかったと
 思いますが、実は今月のお題は全部さだまさしさんの曲名から取っています。 ちなみに今日の「償い」
 は裁判官が判決のときに引用して有名になった曲です。 題を絞られた中で書くのって、なかなか大変
 なもんですね。 いやこの場合もちろん、別にしなくてもいい苦労なんですけど・・・・。
 


 2009年 4月23日 (木)
 【 検察側の証人 】
 原題「Witness of Prosecution」(まんまの訳だ)というこの小説はアガサ・クリスティの傑作です。
 ずいぶん前に映画化されたのですが、結末が原作と違うので、私の頭の中では今やどちらがどちらか、
 ストーリーが分からなくなりましたが、確か容疑者のアリバイを証明できるのは、彼の妻だけなのだけ
 れど、この妻は彼をひどく憎んでいて逆に有罪を立証する証言を・・・・・・というような筋だったと
 思います。 最後の最後で大どんでん返しが・・・というクリスティらしい作品です。
 
 この裁判、検察側には物証がありません。 自白や証言だけが裁判を決めていきます。
 
 和歌山の砒素カレー事件は、最高裁が上告を棄却しました。 これで死刑が確定する公算が極めて高く
 なりました。 こちらも物証はまるでなし。 状況証拠だけによる裁判です。 もし裁判員制度でこの
 裁判に参加することになったら、普通の人は判断に苦しむでしょう。 この制度、長短がありそうです。

 それにしても。 真実は真犯人しか判らないんだけれど、最後まで容疑者が否認のままという死刑判決
 がけっこうあるような気がします。 みんながみんな冤罪でもなかろうにと思っているのですが、現代
 の容疑者はテレビの「大岡越前」みたいに恐れ入りました、とは中々言わないんだなあ。 そこが犯人
 にとっても被害者家族にとっても一番哀しく救われないような気がしています。
 


 2009年 4月21日 (火)
 【 明日檜 】
 明日檜(翌檜・翌桧;あすなろ)は、常緑高木で「ひば」とも呼ばれ生垣などに良く使われます。
 夕張の生家にもひばがありましたが、成長の早い木なので今やずいぶん大きくなりました。

 この「あすなろ」という名の由来は、木材としての姿が檜に非常に似ているけれど、本物の檜には価値が
 遠く及ばないため「今は檜じゃないけれど、明日はきっと檜になろう、努力すればきっと檜になれる」と
 いうところにあるそうです。
 
 
 実は先日から私も「北海道作曲家協会」に加えていただけることになりました。
 明日は今日より少しでもホンモノに近づけるよう、勉強しようと改めて思っています。
 明日檜の話に戻れば井上靖の小説に「でも絶対に檜にはなれないの。」って台詞もありますけどね・・。
 


 2009年 4月16日 (木)
 【 療養所 】
 数十年ずっと思い出さなかった情景を、脈絡なくいきなり思い出すという経験はありませんか。

 私は最近たて続けに二つのことを思い出しました。

 ひとつは子供の頃近所の家で七面鳥を飼っていたこと。 その家の前には一坪ほどの籠があって、数羽
 の七面鳥がいました。 小さな私には七面鳥は珍しかったので、金網に顔を近づけて見ていたのですが
 その金網の破れ目まで突然思い出しました。 なんでこれを今思い出したのだろう・・。

 もうひとつは清湖町にあった療養所のこと。 高校の級友が胸を患ってここに入院しまして、クラスの
 数人で見舞いに行ったことがあったんです。 それまで私は夕張市内に療養所があったことを知らずに
 いたのですが、清水沢ダムの向こうの閑静な立地は堀辰雄の小説で読んだ療養所のイメージそのもので
 入院していた友人には申し訳なかったけれど、正直ちょっと羨ましい気さえしたほどでした。 あれは
 いつ頃まであったのでしょうね。
 
 どちらも数十年全く思い出すことがなかった情景なのに、いったん思い出すと細部まではっきりと思い
 出すことができるのは、物凄く不思議な感覚でした。



 さて、ただ今編曲中の清陵小学校の校歌ですが、残るは三番のオブリガート(対旋律)とコーダの一部
 だけになりました。 あと数日で公開できると思いますので、もう少しだけお待ち下さい。
 


 2009年 4月12日 (日)




  先日初めて食べた話題の品、
  花畑牧場の生キャラメル。
  頂き物ですが並ばずに買えた
  らしいです。


 【 春告鳥 】
 春はまた巡ってきたものの相変わらず明るい話題の少ない夕張ですが、4月9日付けの道新の記事で、
 中札内村の花畑牧場が、現在準備中の夕張工場をを主力工場とし、人員も当初予定の100名から倍の
 200名に増やすことを決定したそうです。 これにより約40名が夕張に転入する見込みだそうで、
 年度内には更に300名体制にしたいとのこと、久しぶりに春を告げるようなニュースですよね。

 夕張市のHPで毎月人口の動向は注意して見ているのですが、年度単位でも単月単位でも、もう長い間
 前年・前月より市の人口が増えたことがありません。 2月-3月期でも全市の人口は65名も減って
 います。 これでもしかしたら久しぶりに前月より人口が増える月が出るかもしれません。 

 花畑牧場については批判的な意見や報道もあるようですが、自然破壊や治安悪化に繋がる業種でもなし
 経済効果は確実にありそうですから、まずは結構なことじゃないかと思います。 今から言うのもなん
 ですが、あとは将来万が一撤退するようなことになっても非難されることがないよう祈りたいですね。
 向こうも商売なんですから、そこまで責任負わされたらどの企業も夕張に来てくれなくなるような気が
 しますもん。    
 


 2009年 4月10日 (金)
 【 風の篝火 】
 人類とその他の動物との違いの一つに挙げられるのが「火」を使う能力の有無ですが、現代の「火」の
 代表格は、松明(たいまつ)や焚き火ではなく、電気でしょう。

 数日前でしたか、道新に日本の太陽光発電量がスペインに抜かれ世界第三位に転落したという記事が出
 ていました。 かつては一位だったのですが、国ぐるみで技術開発・普及に取り組んだドイツに抜かれ
 一年で原子力発電所一つぶん発電量を増やしたスペインにも今回抜かれたということです。

 確かに日照の違いなどもありますが、やる気になれば現在の技術レベルでも一年で原発一つぶん、太陽
 から作る電気を増やせるんですね。 発電パネルの技術革新を進めれば、発電効率ももっと向上できる
 でしょう。  要はこの分野、日本は国策としてやる気がないということなんだと思います。

 昨年7月7日の日記にも書きましたが、原発の核廃棄物は「地層処分」なんて言ってますが、処分でも
 なんでもなく、単に問題の先送りに過ぎません。 ドイツなんかは既に原発の廃止を決めています。
 天文学的な半減期を要する核廃棄物が子々孫々までたたるのは、文字通り「火を見るより明らか」です。

 また、仮に核廃棄物の問題が全く解決されたとしても、原発に頼った発電には問題があります。
 産業革命以前、地球は太陽から受けるエネルギーと、地球表面から宇宙に放射するエネルギーとが平衡
 して均衡を保ってきました。 現在二酸化炭素が問題になっているのは、宇宙に放射するエネルギーが
 減って冷えにくくなるからです。 しかし冷えやすさを元に戻しても、太陽以外から得たエネルギーを
 どんどん使えば結局均衡は崩れてしまいます。 原子力によって無尽蔵にエネルギーが得られたとして
 も問題の解決にはならないのです。 温暖化を防ぐには、二酸化炭素を産業革命以前の水準に戻すだけ
 でなく、太陽光以外から得たエネルギーの使用量も、その時代に戻さなければなりません。 あらゆる
 エネルギーが最後に必ず熱になることは、絶対に覆せない定理なのですから。

 だからこそ、今の日本には世界の先頭に立って太陽エネルギーの利用を進めてほしいと願うのです。

 「文明」という単語に元々「明」の文字が使われているように、風にゆらめく篝火(かがりび)は、人
 類の未来を照らす明かりの象徴であるべきはずですが、このままだと「風前の灯」・・・・・になって
 しまうと思うんですね。 冗談にもなりませんわ、ほんと。
 


 2009年 4月7日 (火)


  我が家の梅 まだ春は先
 【 歳時記 】
 ここ数日、北海道でもようやく春を感じられる日和になりました。
 今日も風は少し強かったですが、日差しははっきりと強く感じられます。 我が家の庭の梅は、まだ蕾
 以前の段階で、庭の日陰の場所にはまだ雪が残っていますが、長い冬も確かに去りつつあるようです。
 あとはタイヤをいつ交換するかというところでしょうか。 何となく明るい気持ちになれます。


 ところで、近くの生協のスーパーで家内が買った冷凍食品、裏を見ると見覚えのある住所が・・・。

   
 
 通常価格¥698(COOP価格)は安くはありませんが、味はけっこうイケます。  近くの生協だと
 たまに冷凍食品40%引きなんてセールもするみたいで、実勢価格は400円台のようですから、ぜひ一度
 みなさんもお試し下さい。 食品は中国製より何といっても夕張製ですよ、やっぱり。
 


 2009年 4月5日 (日)
 【 指定券 】
 もう十年以上家族ぐるみで親しくしている友人の息子さんが、進学のため本州に行くことになりました。
 私も彼が小学校の低学年の頃から知っているので、時の流れに感慨を覚えます。 桜の季節ですね。

 映画「Always~三丁目の夕日」で、クリスマス・プレゼントとして故郷行きの列車の指定券が贈られる
 シーンがありますが、50年後の今ならさしずめ飛行機のチケットにあたるのでしょうか。

 私の世代だと、まだ本州(最近あまり"内地"と言わなくなりましたね)は連絡船と列車で行くところと
 いう感覚でしたので、故郷への長距離列車の「指定券」を手にしたときの気持ちがよく理解できますが、
 飛行機のチケットをマイレッジカードで買っていたんじゃ、この情緒は判らないだろうなあ・・・。
 
 パンチの入った切符を握りしめ、ホームに立ったときの独特の匂いが、ひどく遠く懐かしい気がする
 今日この頃です。
 


 2009年 4月3日 (金)
 【 博物館 】
 久しぶりに「夕張リゾート」のHPをのぞきました。 今年から石炭博物館は単館料金が設定されたよ
 うで、大人1200円で入館できるようになりました。 これで少しでも入場者が増えれば良いですよね。
 今シーズンは4月25日からの開館ということで、私も久しぶりに訪ねてみたいと思っています。 

 以前から石炭博物館だけは、単にテーマパークの一部としてでなく、炭都夕張の歴史資料としての価値
 があると思っていました。 北海道の歴史の一部とも言えるので、財政再建下で商業施設として利益が
 出るか否かという観点ではなく、野幌の北海道開拓記念館と同じように非営利・公営で維持してこそ、
 文化が伝承されるんだと思います。 博物館は本来アミューズメント施設とは違うのですから。

 あくまで個人的な印象ですが、現在ここを管理しているK社は、経営不振のスキー場や遊戯施設を安く
 入手しては会社を拡げてきたように感じてます。 石炭博物館も数年管理したあたりで「このままだと
 そんなに儲かりませんよ。 どうです、ここらでわが社に売却しませんか、多少まとまった金額は用意
 しますよ・・・」なんて具合に安く入手する筋書きになってやしないか心配してます。 ちょうど例の
 日本郵政が「かんぽの宿」をオリックスに一括譲渡しようとしたように、一種の出来レースへの布石が
 既に始まってたりして・・というのは、少し被害妄想が過ぎるかもしれませんが、何しろ最近はこちら
 も政治不信に陥ってますのでね。 邪推かもしれないけど、ありそうな気もするんです。
 
 高橋はるみ知事、まさかこのページはお読みじゃないでしょうが、石炭博物館だけは北海道開拓記念館
 の「夕張別館」あたりとして、道で管理していただけませんか。 心からお願いいたします。
 


 2009年 4月1日 (水)
 【 距離(distance) 】
 ETCを使って休日に利用した場合の高速道路の料金が安くなりました。
 うちの車にもETCは数年前から付けていますが、そもそも高速道路に乗る機会がないので、ほとんど
 使ったことがありません。 したがって今回の恩恵も感じられません。 乗用車に対して休日だけ安く
 というのは、少なくとも環境やエネルギーの観点からは「無駄な遠出」を奨励しているとしか思えず、
 政治感覚としては好きになれません。 今回の施策と全く逆に、都市部の高速道路での大型車や商用車
 の平日の通行料金を下げたほうが、燃費の改善や流通コストへの還元など経済的にも環境的にも効果が
 あるんじゃないかと思います。 経済効果だって、観光先での少しばかりの目先の消費より、こっちの
 ほうが大きいんじゃないの。 大型トラックなどは発進時にエネルギーをより消費しますし、ディーゼ
 ルエンジンの黒煙(=PM)も出るわけで、商用の長距離便が高速道路を使って都市部をバイパスする
 ことのメリットも多いはず。 まあ今回のは、選挙向けのパフォーマンスということでしょうか。

 近代は速度との戦い、言い換えれば体感的な「距離」を近づけることとの戦いだったとも言えます。
 PCの経路探索ソフトで所要時間を調べてみると、東京駅基点で公共交通機関を使用するとした場合、
 富士の河口湖までが175分、千歳空港までが173分。 千歳空港のほうが2分近い(!)んです。
 改めて考えるまでもなく、これは凄いことですよね。  不思議な感じさえするくらい・・・。
 
 自動車と高速道路の組合わせは、さらに時刻表にも縛られず高速で移動ができる時代を実現しましたが
 体感距離の短縮もそろそろこの辺にしておいたら、という気もします。 飛行機や高速道路で、地方と
 都会の体感距離を短くすることが地方の活性化につながると信じている向きもおられましょうが、実際
 は消費形態にしろ居住や就労形態にしろ、むしろ都市への一極化を助長していやしませんか。

 ふるさとはほどほどに遠くにありて思っていたほうが・・今の時代、無理がないんじゃないでしょうか。
 





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