2016年 11月28日 (月) | |
【 スイカに塩 】 | |
真冬日が続くような季節にまた妙なタイトルを、とお思いでしょうが。 今年7月に永六輔さんが亡くなりました。 永さんと作曲家の中村八大さんコンビは 数々の名曲を残していますが、この間も偶然つけたテレビから「上を向いて歩こう」 が流れてきました。 「上を向いて歩こう」のリリースが1961年(昭和36年)だそうですから、55年前 の曲ということになります。 私の年齢ですと物心ついた頃にはすでに街角で流れて いた、という曲ですが、子供心にこの曲は強い印象を受けた曲でした。 どこに強い 印象を受けたかと言いますと、一番の歌詞で例えるなら「幸せは雲の上に~」の部分 です。 曲はこの歌詞を2回繰り返すのですが、私がいいなあと思ったのは1回目が長調で、 2回目は短調になるところです。(専門的にいえば1回目の「幸せは雲の上に・・」 の調はメインの調の下属調、2回目は下属調の同名異調ということになり、これら は近親調と呼ばれるコード進行の定石・・ということは大人になって知ります。) 長調の曲の中に上手に短調を入れると、非常に甘美な感じになります。 例えるなら スイカに少しだけ塩をかけると甘味が増すのと同じです。 子供だった私はもちろん 調がどうのこうのは知る由もなかったのですが、この部分がとてもいいなあ・・とは 思っていました。 「上を向いて~」だけではなく「見上げてごらん夜の星を」など も短調を見事に使って切ないメロディを強調していますから、これは中村八大さんの ワザだったのでしょう。 ちょっと意識してお聴きいただくと面白いと思います。 |
2016年 11月23日 (水) | 映画冒頭の「幻想交響曲」のスコアと 北高閉校式で使ったタクト |
【 久しぶりの映画 】 | |
気温が-5℃を下回る寒さの中、もの凄く久しぶりに映画を見に行って参りました。 それも札幌駅のシネコンではなく、元のスガイビル(今はディノスというのかな)の 上のほうにあるやつです。 思い出せば最後にここに来たのはハリソン・フォードの 「エアフォース・ワン」を見に来た時で、この映画が1997年ですから、ほぼ20年前 なんですね・・・。 今日の映画は「オケ老人」。 地方のアマチュアオーケストラを舞台にしたコメディ ですが、予定調和のさじ加減がちょうどよく、なかなか楽しかったです。 冒頭ベルリオーズの「幻想交響曲」第5楽章「サバトの夜」から始まる映画のラスト はエルガーの「威風堂々」で終わりますが、実はこの曲、夕張北高校の最後の卒業式 の際、卒業生入場のときに演奏された曲です。 もう22年前のことになりますが、 なぜ正確に覚えているかというと、最後の卒業式にこの曲を選び、演奏の指揮をした のが、他ならぬ私だからです。 今日の映画の中でも、技術的に上手な演奏こそが音楽の全てではない、という内容の 台詞がありましたが、60人近くのOBが集まった夕張北高の卒業/閉校式での演奏 がまさにそういう演奏でした。 タクトを振った私が一番それを実感しているので、 今日の映画のラストはなかなか感動しました。 もう上映期間も残り少ないですが、 特に北高吹奏楽部関係のみなさん、見といたほうがいいですよ。 |
2016年 11月16日 (水) | |
【 新曲公開 】 | |
第50回夕張の杜コンサートが無事終了しました。 公式な数字はまだ掴んでおりませんが、400名を超えるお客様においでいただいた ことだけは確かです。 開場が開演の一時間半前と早かったので、久しぶりに再会を 果たした方も多かったのではないかと思います。 さて初演が終わったので、私が作曲した弦楽四重奏曲「Elegy for Strings(弦楽の ための哀歌)」もWeb上で公開したいと思います。 もちろんHPのトップページからも進めますが直接ページに飛ぶならここをクリック してください。(開くと音が鳴るのでご注意を!) 本当はこの曲、3曲で1組なんです。 まだ2曲目以降が全然かけていませんけど。 構想はメモしてあるので、これは真剣に作らなきゃなあ。 |
2016年 11月 1日 (火) | こちらは駅は駅でも夕張市社光の「サイクリング・ターミナル」 10年前の写真で、現在は花畑牧場がある場所だ。 |
【 JR根室線の行く末は 】 | |
今日から11月です。 ついこの間新年を迎えたばかりのような気が しますが、もう残り2か月・・・シンジラレナーイ(まだやるか)。 今年の北海道は記録的な大雨で、未だ爪痕があちこちに残っておりま すが、JR北海道の線路も被害を受けており、このまま廃止が検討さ れている区間もあるようです。 中でも滝川から芦別・富良野・新得・帯広・釧路を経由し根室に至る 根室本線は、富良野~新得間の廃止&バス転換が検討されていること が先日新聞でも大きく取り上げられました。 この区間には、ドラマ「北の国から」の初回冒頭のシーンに登場する 「布部」駅や、映画「ぽっぽや」の舞台だった「幾寅」があります。 (「ぽっぽや」の劇中、志村けん演ずる炭鉱夫が泥酔して帰るシーン で後ろに見えるのは「石炭の歴史村」だってこと・・皆さんご存知 ですよね??) ファンの方々には聖地でありますから、嘆いておられる方もおいでで しょう。 まだ決定ではないようですが残念なニュースです。 憎まれ口を叩けば、水害は想定外としても国鉄を分割民営化した時点 で、地方の赤字路線が維持できなくなることは計算できたはずなので これはあの時点で国政が鉄道の地方路線を見捨てた、という理解でい いんだと思っています。 前にも書きましたが、私の祖父は国鉄に勤めていて、登川駅で定年を 迎えました。 平成の時代になってしばらくは登川駅の跡地を訪ねる ことができましたが、数年前に行こうとしたら、数百mも手前で背丈 より高い雑草に阻まれ近づくことさえできませんでした。 廃止とな れば、昨日まで列車が走っていた鉄路もあっという間に山に帰ること になるでしょう。 想像するとやはり寂しいですよね。 |