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2018年 1月


 2018年 1月 18日 (木)


 
  「盛美園」公式HPより転載
    
 Priority(優先順位) 】
 何でもそうですが、いま耳にしたことが、思いがけず古い記憶とリンクする
 ことが時々あるもので、数日前に「へー、そうだったの」と思ったのが右の
 写真の庭園の記憶でした。

 インターネットでスタジオジブリのアニメ「借りぐらしのアリエッティ」の
 舞台のモデルが、青森県・弘前市にある「盛美園」であることを知ったのは
 全くの偶然からでした。

 「盛美園」の名は私も長いこと思い出したことがなかったのですが、中学校
 の修学旅行で行っています。中学の修学旅行の行き先は年度や学校によって
 違いますが、夕張ではだいたい「青森&函館」か「阿寒・摩周」の道東かの
 どちらかで、私たちは「青森&函館」だったのです。私の記憶が正しければ
 3泊4日の旅程の3日目、青函連絡船で北海道に戻る直前に見たのが、この
 盛美園だったと思います。

 見事に整えられた日本庭園の中に洋風の建物が建ち、今見たら建築や造園の
 様式に感動するかもしれませんが、だいたいの中学生は日本庭園を見て感動
 などしませんから、当時の私には全く「豚に真珠」だったかも知れません。

 それでも建物の形状や、丁寧に刈り込まれた植栽などは何とか記憶に残って
 いて、公式HPで園内の写真を見て「そうそうこれこれ」と思い出すくらい
 はできたので、修学旅行も全くの無駄ではなかったようです。

 もっとも、肝心の見学先の記憶はこんな程度ですが、そのくせすらりとした
 色白の美人だったバスガイドさんの名前は今でもフルネームで覚えていると
 いう・・・何と申しますか人間の記憶には明らかな優先順位があるようで。



 2018年 1月 13日 (土)



    
 【 お屠蘇気分の名残り 】
 年が明けてすでに2週間近くが過ぎ、正月気分も徐々に抜けつつあります。 明日はもう「どんど焼き」の日
 なので、正月の飾りを近くの神社に行って燃やして来ようと思います。

 私は特に日本酒党ではありませんが、暮れから正月にかけてはお神酒用に毎年日本酒を用意します。 普段は
 飲むことがあってもウィスキーなので、注意していないと、このお神酒用の一升瓶が秋ごろまで残っていたり
 します。

 そんな調子ですので日本酒の味を云々する自信はないのですが、逆に本格的な日本酒というよりは白ワインに
 近くて私には飲みやすい、ということで最近お神酒用に買っているのが、写真の「獺祭(だっさい)」です。
 蔵元は山口県の旭酒造。 安倍首相がオバマ大統領に贈ったことでも知られている酒ですが、近代的なビルの
 中で合理的に生産されていますので、特に高価な酒ではありません。 私の買っている精米率50%のものな
 ら一升3千円程度です。 これを思い出しては少しずつ飲んでいます。 お屠蘇気分の名残りですね。

 私は自動車雑誌でこの酒を知りました。 もうかなり前のことです。 岩国市郊外の緑あふれる敷地に近代的
 な7~8階のビルを建て、樹脂製タンクで正確に温度管理をする一方、充分な人数の杜氏にしっかり力を発揮
 してもらう、つまり設備・道具は合理化し、それ以外は昔ながらというか昔以上に手をかけるという現社長の
 コンセプトが成功したということでしょう。

 ところがマイナーな地方の酒だった獺祭が、近年は有名になったせいかえらく高価格で売られるようになりま
 した。 中には希望小売価格の3倍4倍という価格で買わされたあげく「値段ほど美味い酒ではない」などと
 評されたりして・・・そりゃあ蔵元だって元々「値段の割においしい」を狙っていてコンクールに出すような
 酒ではないので不本意極まりないでしょう・・・何だか本来の飲まれ方をされなくなってきていました。

 昨年暮れでしたか、旭酒造は朝日新聞全国版に広告を出しました。 曰く『獺祭を高く買わないでください』
 ・・・獺祭は本来そういう高価なお酒ではありません、正規の販売店から順当な価格でお買い求めください、
 という内容でした。 いやな商売の仕方をする酒屋が全国的に多いということでしょうが、何だか球場の前で
 巨人戦のチケットを法外な値段で売りつける奴らと同じ手口ですよね。 そりゃそうか何しろモノが酒だけに
 「ノミ屋」だもんね。  ・・・おあとがよろしいようで。



 2018年 1月 5日 (金)



この中では左から3軒目・佐藤呉服店旧店舗が一番古いか。
    
 【 懐かしき冬景色 】
 大方の官公署や企業で年末年始の休みが明け、正月気分も徐々に抜けつつあり
 ます。 例年通り元日夜(時差のため現地では日中です)のウィーン・フィル
 のニューイヤーコンサートを聴き、例年通りの年の始まりを過ごしています。
 今年の指揮者リッカルド・ムーティは45年前、私が初めてウィーン・フィル
 を聴いた時の指揮者です。当時は指揮者になって2年しか経っていない新人で
 カール・ベームのサブだった彼も、今や巨匠クラス。 時の流れを感じます。

 画像データの整理をしていたら、雪景色の沼の沢市街の写真が出てきました。
 2001年冬の写真ですから、17年前の写真です。元の皆川薬局の前あたりから
 線路側の並びを写したもの(画面右手が紅葉山方向)で、三井商店から福井電器
 までが写っています。 この写真の建物は国道452号の拡幅計画のため現在
 は全て取り壊されて更地となっていますが、結局計画は中止。 ただ殺風景な
 空き地を増やしただけの結果になってしまいました。今は懐かしい故郷の風景
 です。

 最近つくづく思いますが、写真というのは狙って撮った記念写真よりも、何の
 変哲もない風景を写した物の方が後になって価値が出る場合が多いようです。



 2018年 1月 1日 (月)
 【 新年おめでとうございます 】


 みなさん、新年おめでとうございます。 当時の小渕恵三官房長官が「平成でございます」と言いながら半紙に書いた新元号を示した
 のはついこのあいだのことのような気がしますが、今年は平成も30年目。 夏頃には新しい元号も決まるのではないか、という年を
 迎えることになりました。

 私は昭和中期の生まれですが、平成になってからの30年の体感的な長さと比べると、自分自身の小さい頃が戦後僅か十数年しか過ぎ
 ていない時代だったことが信じられない気がします。 私の世代の多くは確かに今ほど物質的に恵まれてはいなかったけれど、衣食住
 に関して明日の心配をするほど差し迫った経験はしていません。 そこまで生活を立て直した親の世代の敗戦からの十年がどんなもの
 だったか、想像するに余りあります。 戦後70数年続く平和の中だけを生きてきた私たちは恵まれているということだと思います。

 文頭の文字はドイツ語の「新年おめでとう」です。(このフォントは「ショパン・スクリプト」と言いまして、楽譜の表紙などでよく
 使われています。) ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートなどでもよく耳にするフレーズですが、ドイツ語の「Frohes」は、
 日本語の「おめでとう」よりもっと「幸福な」とか「歓喜に満ちた」というニュアンスが強いような気がします。 昨年一年は、その
 70数年当たり前のように続いてきた平和が脅かされるような出来事が続きました。 みなさんのこの一年が、文字通り幸福に満ちた
 ものでありますように。







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