音風景・夕張

緑の谷 遥か

  緑の谷 遥か   (5分38秒 )

     毎年、今頃の季節(注:これを書いているのは7月末です。)になって、家の窓を開け放って夏の風に
      肌が触れると、子供の頃、夕張の野山を走り回っていたときの「夏の感覚」を思い出します。 
       それは時に今そこにあの頃の風が吹いているかと思うほどリアルにディテールまで蘇えります。
     
     不思議なもので人の五感の中で、匂い(嗅覚)と肌触り(触覚)というのは、普段は視覚や聴覚の陰で
      あまり活躍しない代わりに、記憶の非常に深い所に潜んでいて何かキー(鍵)になることに出会った時に
       一気に蘇えるもののようです。 そして一旦思い出したときの正確さは、数十年経っても視覚や聴覚による
        記憶より信じられないほどリアルです。

     それは例えば雨の日の小学校の廊下の傘掛けの匂いだったり、子供の頃乗っていた自転車のハンドル
      のグリップの手触りだったりするのですが、まるで今本当に匂いがしたり、手に感覚が残っているような
       錯覚に陥ることさえあります。  みなさんもそんなご経験がないでしょうか。

     そんなふうにして、毎年この季節になって「夏の風」を感じるとともに、そういう「感触」で夕張の夏を
      思い出しています。

     馬頭観音のあった高台から見晴るかす生まれた町の街並み。  笹や松ヤニとアスパラやトウキビの
      葉の混じった草いきれ。 草むらの虫たちの声。 砂地の畑を渡る乾燥した風に乗って空を舞う鳶(とんび)。
       かすかに響くドラフト音と細く白い蒸気の尾を残して遥か眼下を行く長い石炭列車・・・・・・・ 今こうしていても
        目の前にそんな風景が広がっているような気がします。

     この曲はそういう私にとっての「夕張の夏の記憶」をメロディにしたものです。
      緑深い夏の夕張の谷間は、きっと今でも変わることなくあそこにあることでしょう。


     
※ ダイナミクス(曲中の音の強弱差)が大きい曲のため、特に曲の最初と最後は音が小さいですが、ご容赦を。

 

                          
               

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                             ☆☆☆☆☆

B夏の緑濃い若菜の旧夕鉄バスターミナル跡地

@石炭博物館  

A歴史村の大観覧車

Cまさに緑の谷間、若菜・平和を眼下に望む

※ 写真@ACは、北高時代の友人のHP「夕張写真日記」より ご提供いただきました。