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2010年 7月


 2010年7月27日 (火)
 【 ”ら”抜きの言葉 】
 数年前からよく言われるようになりましたが、最近の日本語は動詞語尾の「可能」を表す”~られる”
 の”ら”を省略して使う人が増えました。 「ら抜き言葉」などと呼ばれるようですが、この使い方に
 は私の感覚としてはすごく違和感があります。

 例えば「頼る」「忘れる」「助ける」をそれぞれ可能を表す形に変化させると「頼れる」「忘れられる」
 「助けられる」になります。 おそらく最初の二つはどなたも迷わないと思いますが、「助ける」とな
 ると「助けれる」だと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 文法的には、五段活用する動詞は”ら”が不要で、それ以外は”ら”を入れなければなりません。
 迷った時は国語辞典を引いてみれば、例えば「頼る」は【自五】、「忘れる」は【他下一】、「助ける」
 も【他下一】と書かれています。 自五は自動詞の五段活用、他下一は他動詞の下一段活用のことです
 から、先のルールに従って、五段活用する「頼る」は”ら”が不要で、ほかの二つは”ら”が必要であ
 ることが判ります。

 そんなの、どっちでもいいじゃん、という方も多いでしょうが、気になるものは気になるので仕方があ
 りません。 若い人ほどこの傾向がありますが、注意して聞いていると相当ご年配のかたでもこの使い
 方をされているので、全体にそういう使い方の流れが定着しているということでしょう。

 言葉の乱れの話をするとすぐ「現代人は本を読まなくなったから」と分析する方がいます。 言い換え
 れば「活字離れしたからだ」というご意見ですが、私はむしろ逆だと思っています。 確かに本や新聞
 など紙になった活字は読まなくなったかもしれませんが、携帯電話やインターネットの普及のおかげで
 活字を読む機会はむしろ増えているように思えるのです。

 ですから問題は活字を読むほうではなく、書くほうにあるんじゃないでしょうか。 私がまさにそうで
 すが、物書きを業(なりわい)としない人の文章が世に溢れるようになったということです。 以前な
 ら活字になって人に見てもらうというのは大変なことだったので、必ず校正する人がいて、いわば文章
 のプロの方がチェックした活字だけが人の目に触れた。 今は素人の文章がそのまま衆目に触れるので
 感覚だけに頼った言葉の誤用も広まりやすいのではないか、と思うわけです。

 こういう所にばかり拘ると嫌われるわよ、と家内などは言うのですが、亡くなった作家の遠藤周作さん
 が「うんと年とって、うんと文句言って、嫌なじいさんになってやる!」と呟くCMがあったのを思い
 出したりして、絶対に物分かりのいい年寄りになんぞなってやるもんかと思う今日この頃です。



 2010年7月22日 (木)
 【 将来はこれも地元特産品に? 】
 アレルギー症状が年々重くなっている気がします。 最初はシラカバ類に対する花粉症が顕著だったの
 ですが、最近はイネ科の植物により強く反応するようで時期も7・8月は最悪です。 

 例えばイネ科の代表格のカモガヤなんて、子供のころ遊びまわっていた草むらの中にたくさん生えてい
 たはずで何でこの年になって今さらと思うのですが、花粉症とはこういうもののようですね。

 だんだん症状がひどくなるので、やむなく医者に行きましたら、漢方薬を処方してくれました。
 「五虎湯(ごことう)」「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」と書いてある薬包には「ツムラ」の文字。
 ご存知のとおり現在「ツムラ」は沼ノ沢に工場を建設中で、将来的には薬草栽培からの生産を目指して
 いると聞きました。 

 何年か先には、私の漢方薬も「Made in 沼ノ沢」になるかと思うとちょっと楽しみです。 まあ、薬は
 飲まずに済めばそれに越したことはありませんけれどね・・・。



 2010年7月20日 (火)




 【 5回目のメロンオーケストラ 】
 天気予報通りに時折弱い雨が降る中、「メロンオーケストラ」を聴きに夕張に出かけて
 きました。 このコンサートも今年で5回目だそうが永く続いてほしいと思います。
 
 早目に着いてホテル周辺で食事をと思っていたのですが、夕張駅のランチバイキングは
 40分待ち、屋台村も中々の混雑で開演に間に合うか不安だったので、今回はホテル内
 での食事になりました。 窓外に広がる小雨に煙る緑の冷水山もなかなかのものです。

 今年は会場が市民会館からホテル・マウントレースイとなりましたが、座席数が減った
 代わりに演奏者と聴衆の距離が近づきました。 ベートーベンの7番はシューベルトの
 「未完成」と並んで、アマチュアオーケストラがよく演奏する曲ですが、ベートーベン
 の交響曲の中で最もリズミカルでテンポの速い(緩徐楽章である第2楽章でさえ、速度
 指示はアレグレット)曲でもあり、聴くにも演奏するにも楽しい曲だと思います。
 
 今年はプログラムにピアノ協奏曲があったのですが、ピアニストの名前が4人も書いて
 あって、?と思っていましたら、地元の小中学生がソリストでした。 きっと相当緊張
 されたと思いますが、みなさん最後まで演奏しきりました。 すてきな演奏でしたよ。
 
 途中に夕張市民吹奏楽団の演奏もはさみ、2時間以上のコンサートでした。 残念なが
 ら後に用事が控えていたので、演奏終了後は慌ただしく会場を後にしましたが、久しぶ
 りの夕張でした。 そうそう、最後に鹿の谷の「うさぎや」でシナモンドーナツだけは
 買って帰ってきましたよ。 ホテルの売店でも売っているのですが、売り切れで買うこ
 とができなかったんです。 ちなみに夕張市内ではセイコーマート
以外のコンビニなら
 このシナモンドーナツを売っているそうです。 

 次に夕張に行くはお盆の墓参りかなあ・・・。 小学校の写真も撮っておかなくちゃ。



 2010年7月18日 (日)
 【 豪雨 】
 7月もほぼ半ば、一年で一番暑い時期を迎えました。 ここ数日、西日本では豪雨で被害が相次いでい
 ますが、北海道の私のあたりは蒸し暑い程度で雨らしい雨は降っていません。

 地球温暖化というと何だか暑くて乾燥してくるイメージがありますが、温暖化は空気に熱というエネル
 ギーをより多く与えるということですから、空気がエネルギーを持て余して暴れることが多くなる、つ
 まり天候の振れ幅が大きくなる結果を生みます。

 地球の平均気温が現在より1℃上昇すると、空気の飽和水蒸気量は45000億トン増加するそうです。
 これは例えば黒部ダムの貯水量が約2億トンですから、黒部ダム2万基以上の水量に匹敵します。

 飽和水蒸気量は言い換えれば湿度100%の時に空気中に溶けていられる水蒸気の量です。 実際には
 湿度がどこでも100%ということはないので、45000億トンという数字がストレートに現実には
 なりませんが、数字の桁としてはこれくらいの量の水が、温暖化によってより多く空気中に含まれるよ
 うになるということです。 経験したこともない豪雨が最近増えているのも、このへんが関係している
 ような気がします。 

 国家単位でも個人単位でも、お題目だけでなしに温暖化対策に取り組まないと、これからは本当に大変
 なことになるのかもしれません。 



 さて、明日は「メロンオーケストラ」を聴きに久しぶりに夕張に行く予定です。 残念ながら天気予報
 では明日の夕張は弱い雨。 せめて豪雨にならなければいいのですが・・・。



 2010年7月11日 (日)
 【 あと4曲・・・・ 】
 ただいま日曜の未明というか、土曜の深夜なのですが、どうしても夜の方が静かで涼しいもので、健康
 には良くないと思いつつ、曲を作るのはついついこんな時間になってしまいます。

 おかげで夕張小学校(現)の校歌はほぼ完成しました。 若菜中央小学校の校歌も3割ほど手をつけて
 いますので、今年度閉校する6校のうち既にHPで公開している清水沢小を数えると残り4曲弱という
 ことになります。 

 お盆など雑事に追われる時期を計算すれば、10月の閉校式前に全校分を完成するには、半月に1曲の
 ペースが必要です。 今月中に若菜中央小が終わればイケそうな気がするので、この2週間が作業の山
 になりそうです。 日記の更新間隔もちょっと開いちゃうかもしれませんが、どうかお許しを。



 2010年7月8日 (木)
 【 もう一度CMを 】
 ひと月ほど前のこの欄でもご紹介したのですが、もう一度知人のCDの宣伝をさせていただきます。

 6月9日付のこの欄でも書きましたので詳細はそちらをご覧いただくとして、私も購入して実際に聴い
 てみましたが、すばらしい演奏です。 曲目も映画音楽など良く耳にするものばかりですし、最後の曲
 の「少年時代」については、彼自身がライナーノートの中で故郷夕張についての思いを語っています。
 
 地方の方ならネット販売大手のAmazonから購入可能です。

 静かでゆったりした曲でまとめてありますので、BGMとしても好適でコーヒーブレイクの時なんかに
 聴くととっても癒されます。 身びいき抜きでいいCDですので、ぜひお聴きになってくださいませ。



 2010年7月6日 (火)
 【 最近買ったもの 】
 最近の買い物としてはノ-トPCが一番大きいのですが、小さい品物で印象に残ったものを二三挙げて
 みたいと思います。
 
 1.「暮らしの手帖 6-7月号」(暮らしの手帖社、\900)
  大学時代居候していた伯母が定期購読していたのが最初にこの本を手に取るきっかけでした。 主婦
 向けの雑誌、というイメージがありますが、道具の話あり旅行ありで男性が読んでも充分おもしろいと
 思ってます。 そして私が何より気に入っているこの本の最大の特徴は「中に広告が一切ない」こと。
 これは創刊時から今も続いていて、おかげで時々掲載される家電製品の比較試験などは、厳格なまでに
 中立で正確です。 出版界の良心みたいな雑誌ですね。

 2.「武士道」(新渡戸稲造 著、岩波文庫 ¥560)
  お札の挿絵にもなっている新渡戸稲造さんが百年以上前に書いた本です。 決してタイトルから想像
 される右寄りの内容ではありません。 キリスト教徒だった新渡戸さんらしい見方で日本的精神という
 ものを述べた本です。 確かに時代にそぐわない部分も感じますが、反省させられる点も多いですよ。

 3.「レクイエム」(モーツァルト/カール・ベーム指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、\1600)
  映画やドラマによく登場するモーツァルト最後の曲です。 明るく軽快でいかにも晩餐会のBGM的
 な曲を作って来たモーツァルトも、最後は眉間に皺が寄るような音楽を書いちゃった、という作品。
 ある意味バッハ的な曲の作りとも言えるこの作品、実は私はモーツァルトの曲の中で一番好きです。
 もしかしたら私はあまりモーツァルトが好きでないのかも・・と自分で思ったりします。 指揮と演奏
 はベームとウィーン・フィル。  私がリアルタイムで聴いた中では最高の組合せですから、もちろん
 演奏に一切不満はございません。 なぜかクラシックのCDは価格が安いものが多く、この演奏者でも
 たった\1600。 北海道弁で言いますと「これでまかたすんのかい?」って思っちゃいます。 ところで
 CDケースの帯に書いてある「ルビジウム・カッティング」ってどんな技術?
 
 とまあこんな所でしょうか。 それほどお金をかけなくても相当長時間楽しめるってことですね。



 2010年7月4日 (日)
 【 Independence Day(独立記念日) 】
 今日7月4日はアメリカの独立記念日です。
 よその国の祝日なのですが、私にもたった一つだけアメリカの独立記念日の思い出があります。
 
 今から34年前の1976年、アメリカは建国200年を迎えました。 当時はフォード大統領の時代
 でしたが、数々の記念行事が行われた中で、今でも忘れられないイベントがたった一つだけあります。
 
 それはホワイトハウスでの公式行事にピアニストのホロヴィッツを招いての演奏です。
 ウラディミール・ホロヴィッツは当時「雷鳴のピアニスト」などと評された、比類なき正確さと力強さ
 を持った20世紀後半を代表するピアニストでした。 彼の岳父は、これまた稀代の名指揮者であった
 トスカニーニです。 ただホロヴィッツは極度の上がり症だったらしく、テレビなどの映像はそんなに
 残っていません。 もちろんDVDはおろかまだビデオも普及していない時代ですから、私もこのとき
 初めてホロヴィッツの生の映像を見ました。

 スタインウェイと思しきグランドピアノに向かってホロヴィッツが演奏したのは国歌「星条旗」でした。
 初めてTVで見るホロヴィッツの物凄く大きな手から繰り出される「星条旗」は、それがたった一台の
 ピアノから生み出されるとは信じがたい壮大さで迫ってきました。  聴いたのはその時一回だけで、
 その後は一度も録音だけですら聴いたことがありませんが、今でも忘れられない演奏でした。

 このご時世、今ならあの演奏もYouTubeあたりで検索したらひょっとして探し出せるかもしれません。
 ですが基本的に音楽は聴いたら流れ去っていくもの。 これは私の200回目の独立記念日の思い出と
 して、記憶の中だけにしまっておくのもいいかな、などと思ったりしています。



 2010年7月1日 (木)
 【 根本的問題はここに 】
 今日から7月。 6月末からの北海道は異常に暑い日が続いていますが、皆さん体調はいかかですか。
 今年もあっという間に半分過ぎたことになりますが、何だか何もできていない気がしています。

 数日前に届いたPCの表ソフトの使用感を試したくて、何か表にするのに適当なものはないかと探して
 いたのですが、そうだこの機会に夕張市の人口の推移をグラフにしてみようと思い付きまして、試しに
 作ってみたのが下のグラフです。(元の数字は夕張市の公式HPの「資料書式ダウンロード」のページ
 で公開されています。)

 元の資料には明治24年からの人口推移が出ているのですが、グラフにしたのは終戦の1945年(昭和20年)
 から2009年(平成21年)までです。

 改めてグラフにしてみて、戦後夕張の人口変化は大きく3つの時代に分けられることに気付きました。

 
第Ⅰ期(1945年~1960年):勃興期・戦後復興期の石炭需要の高まりで人口が急激に増えた。
 第Ⅱ期(1960年~1990年):急減期・エネルギー政策の転換で閉山が連続し、人口が急減した。
 第Ⅲ期(1990年~2010年):暫減期・炭鉱がすべて無くなり、高齢化と過疎化がじわじわと進んだ。


 第Ⅱ期の30年間には、数回の大きな炭鉱事故などマイナス要因も新鉱の開発などプラス要因もあった
 はずですが、事故が起きたからといって人口減少率が更に増えるわけでもなく、逆に新鉱ができたから
 といって下げ止まるわけでもなく、とにかく30年間ひたすら高率で人口が流出したことが判ります。

 第Ⅲ期は1990年に最後の炭鉱が無くなって閉山による転出が底を打った後の期間です。 
 これ以降の減少は、将来への不安により夕張を離れる人(私の両親がまさにこれでした。)と、高齢化
 に伴う自然減によるもので、10年毎に5000人というほぼ定率の人口減少は今も続いています。 グラフ
 から明らかなように、財政破綻したからといって特に減少率は変化していません。 破綻よりずっと前
 から、人口は一定の割合で減り続けていたのです。 ですからマスコミが伝えるような、破綻によって
 住民が「最高の税負担と最低の市民サービス」に見切りをつけ逃げ出した、という図式ではありません。
 もっと根本的な問題がそこにあるんじゃないでしょうか。

 私は統計学者でも社会学者でもありませんから、今後の人口予測をできるような能力はありませんが、
 素直な気持でこのグラフを見れば、この先の人口はやっぱり赤い点線のように・・って思いますよね。
 国からの借金を返し終わる17年後には人口は3000人以下・・・になっちゃいそうに思えてしまいます。
 
 まずは住む人がいないとマチづくりも何もあったもんじゃありません。
 どんな問題より先にこの根本的問題を解決しないと、私たちの故郷に未来はないということですね。


          
≪夕張市の人口推移(国勢調査ベース)≫

   







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音風景・夕張

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