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2013年 2月


 2013年 2月 27日 (水)

 【 限度 】
 まもなく3月を迎えますが、北海道は相変わらずの雪の中です。

 ニュースによれば札幌の昨日の積雪が137cmで、これは1995年以来
 18年ぶりの大雪だそうです。 札幌市議会では今日25億円の追加予算
 が可決され、今年の除雪予算は194億円に達するそうです。 春が来れ
 ば放っておいても消えてなくなるモノに194億円ですから、考えように
 よってはこれだけ非合理なお金の使い道もありませんが、わが家の周囲も
 これ以上は雪を処理できない状況に陥っていて、家内とも「もう限度だよ
 なあ」って話していたところだったので、これもやむを得ません。

 予算の目処がついたせいか、角地にある我が家が面する2本の道路のうち
 広い通りのほうには昨晩今季2度目の排雪作業が入りました。 深夜から
 朝の5時頃まで、写真のようにロータリー、ショベルローダ、グレーダ、
 それにダンプカーの除雪部隊が作業を続け、雪は一気になくなりました。

 本当は残る1本の道路にも今日排雪が入る予定だった(こちらは町内会が
 お金を出しています)のですが、雪の量があまりに多く日程はかなり遅く
 にずれこむようです。 春・・・ほんとに早く来てほしいわ。



 2013年 2月 20日 (水)
 【 明日から映画祭 】
 明日2月21日から今年も「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が始まります。 1990年の第1回から数えて23回目と
 なる今年は、「一歩その先へ」がテーマだそうです。

 今回から上映をデジタル化するそうで、技術的な面でもテーマ通り「その先へ」進んだようです。 ゲストも子役の鈴木福くんから
 井筒和幸監督までバラエティに富んだ方々がおいでになるとのことですので、みなさんぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。



 2013年 2月 17日 (日)

 【 ディープ・インパクト 】
 もちろん競走馬の話題ではありません。 おそらく馬の命名の元となったであろう
 スティーブン・スピルバーグ製作総指揮のSF映画のタイトルのほうです。主役の
 女性ジャーナリスト役にティア・レオーニ(ジュラシック・パークⅢにも母親役で
 登場してます)、モーガン・フリーマンが大統領役というキャスティングでした。
 ロード・オブ・ザ・リングのイライジャ・ウッドも出ていたかな。

 テレビの洋画劇場で放映したこともあるので、ご覧になった方もおいででしょう。
 そう、この映画は巨大彗星が地球に衝突する、というストーリーでした。

 右の写真はその映画のひとコマではありません。 15日の現地時間9時20分、
 ロシアに落下した隕石の紛れもない現実の写真です。 ニュース映像では衝撃波に
 よる爆発音のような音も流れていましたが、天体現象の人智を超えたエネルギーに
 は畏怖の念を抱くしかありません。

 NASAによれば隕石の元の大きさは直径17m・重さ1万トンで大気圏に突入後
 の表面温度は2500℃以上だそうです。  電卓をたたくと比重は約7.8となり
 ますが、これはほぼ鉄の比重と一緒。 1万トンの灼熱の鉄の塊が、秒速30km
 (音の速さは0℃で秒速331mに過ぎません)で落ちてくるなど、全く想像を絶する
 としか・・・。

 「天罰」という単語がありますが「人間よ驕るなかれ」というところでしょうか。
 宇宙では科学など手も足も出ないものが大半であることを、改めて思い知らされた
 気がしています。



 2013年 2月 15日 (金)
 【音楽は数学だ 】
 以前この欄でも書きましたが、NHKの「頭がしびれるテレビ」という番組が好きでした。 本放送はもうとうに終わっていますが
 今日15日の午後10時からスペシャル版が放送されるそうです。 テーマは「名曲は数字でできている!?」 数学というものが
 いかに多くの分野で生かされているかを判りやすく説明する番組だったので、音楽の分野にどう切り込むか楽しみにしています。

 これを書いている今はまだ放送前なので、私は番組を見ていませんが、いつも「音楽は数学だ!」と主張している私には見逃せない
 番組です。 あらゆる芸術の中で「音」、すなわち「空気の振動」という物理現象を利用する音楽は、もっとも数値化しやすい芸術
 です。 例えばピアノの鍵盤は「平均律」をベースに調律されていますが、平均律は半音=12乗根√2(約1.059463)という振動数比
 を持つ等比級数です。 もちろん音階は人間が心地よさを覚える響きとして、数学的解明より先に存在していたはずですが、それを
 最初に裏付けたのも数学者のピタゴラスです。 彼の名は「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」で皆さんもご存知でしょう。

 記憶が正しければ彼以前に「1オクターブ」の振動数比が2倍であることは知られていたはずです。  ピタゴラスの最大の功績は
 オクターブ(8度)以外に5度(ドとソの間隔)の振動数比が1.5であることを発見したことです。 天才である彼は、この二つの比
 だけを用いて音階にあるすべての音の比を計算してしまいました。 

 ドを1としますと、ソは1.5です。 ソから5度上はオクターブ上のレになりますが、1オクターブの比は2ですから、2で割れば
 最初のドのとなりのレになります。 つまり1.5×1.5÷2=1.125 がレです。 レの5度上はラ、つまり1.125×1.5=1.6875 がラに
 なります。 これを繰り返していけば音階の全ての音の振動数比を計算できますが、これが「ピタゴリアン」と呼ばれる最初の数学
 的な音階の説明なんです。 頭いいですよね、ピタゴラス・・・って天才数学者を今さら誉めるのも何ですが。

 いつも思うのですが、五線譜だって見方を変えれば横軸に時間(ただし単位は「拍」)、縦軸に周波数(ただし単位は「音階」)を取る
 グラフとも考えられます。 シンセサイザーは単振動の周波数と振幅と位相を自由に調整できる発振回路を通常は4つ重ね合わせる
 ことであらゆる音を創り出していますが、これは「フーリエ級数」という数式に基づくものです。 このように音楽の世界は数学で
 満ち溢れています。 バッハ、ベートーベン、ブラームスは「ドイツの3B」などと習いましたが、同じドイツがベンツやポルシェ
 を生みだしているところを見ると、やっぱり音楽には理数系の力が要るのかな、などと思わないでもありません。

 さて、番組ではどんな取り上げ方をしてくれるのでしょう。 興味のある方はぜひご覧になってはいかがでしょう。



 2013年 2月 12日 (火)
 【 雪のメロン熊 】
 2年ぶりに「札幌雪祭り」に行ってみました。

 64回目の今年は来場者数236万7000人。 大幅に来場者数を減らした昨年の205万人
 から31万人増えたそうですが、私が出かけた時も確かに凄い人出でした。

 今年は東京駅の改築完了セレモニーですっかり有名になった「プロジェクション・マッピング」
 (建築物などの立体に複数のデジタル映写機から映像を投影する)などの目玉もあって、来場数
 を押し上げたようです。 今回は「豊平館」と「アウディA6」の雪像に映像を投影しましたが
 どういう仕掛けか、詳しいことは判りませんがみごとなものでした。

 会場には大雪像のほか、小ぶりな市民雪像も例年通りたくさんありましたが、中に写真の雪像も
 ありました。 「メロン熊」ですね。 雪像前にあった説明板には「夕張の農家を荒らし、おい
 しいメロンを食い荒らしたことで変貌した熊なのである。」とありました。 おいしいメロンを
 たくさん食べたら、もう少し穏やかな性格になりそうな気もしますが、まあそういう野暮を別に
 すれば、乱立する「ゆるキャラ」の中にあって確かに強烈な個性はあるかも・・。 何しろ雪の
 白一色で作っても、すぐキャラクターがこれと判別できるカタチだもんねえ。
 


 2013年 2月 10日 (日)








 【 Made in Japan 】
 昨日まで3回シリーズで放映されたドラマ「Made in Japan」を見ていました。 NHKらしいというか、
 NHKでないとできないというか、時期的によく実現できたなと思う中国での大がかりなロケを伴う筋立て
 は、つい現在のパナソニックあたりを連想してしまうリアリティがあって、なかなか見応えがありました。
 第2話と3話では、中国に渡った日本の技術者が開発を急いでいた新型のリチウム電池に、発熱の危険性が
 あることが判って技術者自身が実用化を待つよう社長に進言するシーンもありました。 これはまさに今、
 ボーイング787に搭載している日本製のリチウム電池が発火して大問題になっているのとオーバーラップ
 していて、偶然の符合とはいえちょっと怖い感じすらしました。

 80年代中盤以降、「Made in Japan」は高品質の代名詞でありました。 自動車にしろ家電にしろ、性能
 が良くて故障が少なく長寿命であることが日本の工業製品の身上でありました。 しかしバブル崩壊とその
 後の規制緩和と価格破壊・デフレ・新興勢力の台頭によって、最近は往時の勢いを失ってしまいました。

 価格が安くなるのは確かにありがたいことです。 コストを考えない工業製品などあり得ません。 例えが
 不穏当かもしれませんが、武器ですらコストの縛りは伴っています。 しかし最近ふと思うのは、コストを
 意識するあまり、日本の工業製品が高い品質や技術の先進性を失いつつあるのではないかということです。
 ただ価格競争だけの土俵に上がるなら、資源もなく人件費の高い日本に勝機はないんじゃないでしょうか?
 
 細かい部分に拘る私は、車を選ぶのにボンネットの中を見て決めるひねくれたタイプです。 例えばホース
 やダクトを締める金具は、最近の車の大半が右上の写真のようなばね仕掛けのクリップ式を採っています。
 実はこの部分は以前は右下の写真のように、ベルトをネジで締めあげる方式でした。 しかしコストの上で
 はネジを使う部品は高くつきますし、何より製造ラインの組立て時にネジを締める分の時間がかかるため、
 最近の車は、ほとんどが上のクリップ式になっています。

 確かにクリップでも最低限の機能はあります。 しかしクリップ式では例えば緩みの点検はできません。
 バネ仕掛けですから、古くなってもどれだけ緩んでいるのか確認のしようがないからです。 それは品質と
 しては過剰、現代のエンジニアリングの上では即ちムダでコストダウンの対象でしかありません。 しかし
 いつもコストを最優先で考えていると、いつか本当の品質が何であるかを見失っていくような気がします。
 いつのまにか「Made in Japan」が輝きを失ってしまったのは、バブル以降の20年間に「同じ価格でより
 性能・品質の高いものを」ではなく、「同じ性能でいいから、より安いものを」ということしか考えてこな
 かった結果じゃないのか・・・?  価格競争の土俵の上だけにいるんじゃなくて、技術者の能力をもっと
 本来の方に発揮させないと、日本の工業製品は埋没してしまうのではないのか? ドラマを見ていてそんな
 気がしてならなかった私です。
 


 2013年 2月 1日 (金)
 【 してあげる 】
 今日から2月。 家のまわりは例年以上の雪に覆われていますが、暦の上ではまもなく立春を迎えます。 ほんとうに早いですね。

 さて、私もこの欄では何度か現代の言葉遣いについて書いてきました。 
 レストランで料理を出す時に「こちらが~になります」と言うのは変だろ、とかコンビニの店員の挨拶の「いらっしゃいまこんに
 ちは」(注:一気にしゃべり、にアクセントがある)はもはや挨拶とは思えない、とか・・・まあ色々と文句を書き綴ってきました
 が、最近さらに気になる言い回しがひとつ加わりました。

 それが今日のタイトルの「~してあげる」です。  これがまたテレビなんかを見てるといわゆる先生と呼ばれている方々:料理とか
 書道とか獣医とかそういうある程度の教養も常識もあるはずの人が口にするから始末に悪い。 例えばジャガイモを煮るのにですよ、
 「くずれやすいので、丁寧に混ぜてあげてください」は・・・おかしいでしょ日本語。 いいじゃん、単に「混ぜてください」で。
 普通「あげてください」は敬うべき人に対して使うのよ、例えば先生が生徒に「道で困っている人がいたら助けてあげてくださいね」
 のようにね。 百歩譲って対象がペットなどの動物ならともかく(動物でも充分ヘンだけどね)、この場合、相手はイモなんだからさ。
 どうにかなりませんかねえ、この珍妙な日本語・・・。







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