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2014年 7月


 2014年 7月 27日 (日)


 【 コンサートの月 】
 今月は聴くほう・企画するほう、どちらのコンサートも忙しい月でした。

 北海道作曲家協会では、先月今月とふた月連続で主催コンサートを開催しており
 ます。

 もしかしたら明日(28日)の道新夕刊あたりに紹介記事が載るかもしれませんが
 今月は20日(日)に中央区の渡辺淳一文学館で、「ヤングチャイナコンサート」
 というコンサートを行っています。 名前の通り、中国の子供たちや音大生など
 二十数名が、ピアノで作曲家協会会員の曲や自国の曲などを演奏するものです。
 中国のピアノ曲は普段なかなか聴く機会がないので新鮮でした。ちなみにピアノ
 は中国語で「鋼琴」というらしい。 何となくわかりますよね・・・。

 ここ数年、何かと角突き合わせることが多い両国ですが、政府間はともかくも、
 個人レベルでは「音楽」という世界共通の言語で、少しでも相互理解が図れれば
 と思ったりしております。 



 2014年 7月 25日 (金)

200mほど先の看板が霞ンで見える。
普段はこの背後に15km先の山が見えるのだが。

 【 ちり煙霧 】
 予報は晴れでしたが、今日は朝からどんよりとした空模様でした。

 さらに午後からは霧が出て周囲が霞んで・・と思ったら、これは空気中の水分が原因
 の「霧」ではなく、細かい塵(ちり)や埃が原因の「ちり煙霧(単に「煙霧」とも)
 なんだそうです。

 2階から見てみると直線200mほどの看板も霞んで見えます。 雨でなければ普段
 は約15km先にある山の頂も見えるはずなのですが、今日は全く見えません。
 注意していると、かすかに異臭もします。 昔プラモデルを組立てる時に、金属部品
 の穴にプラスチックの凸部を通してから熱したドライバーの先で潰して取付けること
 がありましたが、経験した中ではあの時の臭いを薄めた感じに近いです。

 ニュースを見ると、PM2.5の値が急上昇し、通常の2~3倍、場所によっては7倍
 にもなっているそうです。 もしかしたらこの臭いも関係あるのでしょうか? 今まで
 自分の住んでいる場所でPM2.5の問題を意識したことはありませんでしたが、これ
 からはもう少し注意しないと。 そう思うとちょっと不気味な一日でした。



 2014年 7月 22日 (火)

畳の上に寝転んで見上げる夏空。
 【 蒼穹(そうきゅう)の彼方へ 】
 夕張では天候に恵まれ、特に一日目は夏らしい天気の下で過ごすことができました。

 二十数年ぶりの我が家の夏は、体に染みついている幼いころからの感覚を一度に呼び覚まし、
 何もかも「ああ、こうだった」と思わせるものでした。 それは実際にする匂いでも目に見え
 るものでもなく、「空気感」とでもいいますか、記憶の全てがそこにある感じでした。

 掃き出し窓を全開にして畳の上に寝転がり、空を見上げてみました。 都会の喧騒や排煙とは
 無縁の青い空が広がり、雑草の間からは虫の音に混じって、今の私の家ではまず耳にすること
 がない蛙の声まで聞こえてきます。  夕方から急激に涼しくなる風も昔通りだし、その風に
 乗ってかすかに聞こえてくる派出所前の踏切の警報器の音まで、まるで昨日まで毎日聞いてい
 たような錯覚にさえ陥ります。

 昔ここで暮らしていたときにはついぞ顧みることのなかった故郷の夏は、まもなく解体される
 わが家とともに、夏の蒼穹の彼方へ去っていきます。 四季のなかで最も感傷的なのは普通は
 「秋」とされていますが、ミシェル・ルグラン音楽の「おもいでの夏」や、同名の井上陽水の
 テーマ曲が有名な「少年時代」などを見るに、実は強い印象が長く残るのは「夏」じゃないで
 しょうか。 それは今回の私がそうだったように時代や場所の空気を一番ダイレクトに感じ、
 長く記憶にとどめてしまう季節だからかな、と考えたりもするのです。

 そんなこんな、年甲斐もなくセンチメンタリズムに浸る今年の夏でありました。



 2014年 7月 19日 (土)


 【 故郷の夏 】
 というわけで一昨日から一泊で夕張に行ってまいりました。

 考えてみれば、二十年ちょっと前に両親が夕張を引き払ってから今まで、一度も
 夕張に泊まったことがありません。 泊まるほど遠いところに住んでいないこと
 が最大の理由ですが、同窓会なども地元では全くなかったので(実は私が呼ばれ
 ていなかっただけかも知れませんが)泊りがけでないと済まない用事も無かった
 のです。

 最低限の家庭用品しか持っていかなかったので食事は外食、夕食は「おーやま」
 で食べました。 ここへ来ると私はほとんど「カツカレー」しか食べていないの
 ですが、今回は4日前に食べたばかりなので、「夕張長いもハンバーグ」にして
 みました。 水っぽくなりがちな長いも料理ですが、クリーミーでとても美味で
 ありました。

 今回は旧友(級友でもある)二人にも会え、それが二人とも責任ある立場で立派
 に活躍されていて、ちょっと感慨にふけってしまいました。 お互い若くはなく
 なってしまったけれど、もうちょっと頑張ろうね。



 2014年 7月 16日 (水)

かつてトマトやトウキビを植えていたわが家の畑。
これでも住宅街の中なのだが、こうして写真で見て
いると、まるで原野である。

 【 再び夕張へ・・最後の一泊 】
 13日に行ったばかりですが、急用で明日もう一度夕張に行くことになりました。
 今度は泊まってこなければならないので、ちょうど掃除が終わったばかりのわが家
 に泊まることにしました。

 基本ただの空き家ですから、寝具の備えも何もありません。 まあ夏のこの時季の
 ことですから、キャンプに行くつもりでシュラフとカセットガスでも持っていけば
 一晩くらいは何とか過ごせるでしょう。 幸い電気はまだ来ていますから井戸水を
 電動ポンプで汲み上げている我が家は上水もトイレも使えます。

 来月には取り壊す予定のわが家。ここに泊まるのもこれが最後になると思います。
 かつては24時間ずっと響いていた選炭機の音も途絶えて久しく、きっと静かな夜
 を過ごせるでしょう。 文字どおりの「生家」での最後の一夜、時間を噛みしめて
 過ごしてきたいと思います。



 2014年 7月 14日 (月)

 昨年はヴィヴァルディの「春」で今年は「夏」。

 【 今年も夏が 】
 昨日は私の夏の定例行事化しつつある「夕張メロンオーケストラ」のコンサートに
 行ってまいりました。

 実は土日は他に用事があって、土曜に行われた「夕張の杜コンサート」とともに、
 今回は行けないなと諦めていたのですが、日曜だけ時間が空き、体調もだいぶ回復
 してきたので、取り壊す実家の整理と掃除かたがた出かけてきたのです。

 運よく台風8号も通り過ぎて、薄曇りのまずまずの天候に恵まれました。 今年は
 例年より弦楽器の数が多いような気がしました。(数えたわけじゃありませんが)
 シューベルトの7番(昔は8番だった)いわゆる「未完成」は、アマチュアオケで
 よく演奏される曲で演奏技術的には割合に簡単な部類に属するとはいえ、毎度数日
 の練習で演奏するのは大変だろうなと思っています。 

 実家は春からの3カ月で草に埋もれていましたが、とりあえず何とか玄関先だけは
 鎌で刈ってきれいになりました。 今回はビデオカメラで家の中の動画も撮影して
 きましたが、実家の建っている姿を見られるのもあと一度か二度。  古い映画の
 タイトルじゃありませんが、今年は「思い出の夏」だなあ・・・。
 


 2014年 7月 11日 (金)

 フィリップ・ジョーーンズのレコードの中で
 最初に買った一枚。 40年近く前だ・・・

 【 アンコール 】
 ひょんなことから当日になってチケットをいただき、急きょキタラでのコンサートに
 出かけてきました。  パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)の
 プレ・コンサートとして「ベルリン・フィルハーモニー・ブラス・アンサンブル」が
 10日の夕方に演奏したんです。

 Tp.5人、Tb.5人、Hr.1人、Bas.1人の12名の金管アンサンブルですが、何しろ
 世界一管が鳴るベルリン・フィルの金管パート、それはそれは素晴らしい音でした。

 中でも涙が出そうになったのはアンコール曲で、アンコールが2曲終わってもなお鳴
 りやまぬ拍手に、進行役の女性Hr奏者の方がついに「Last one!(これで最後よ!)」
 と言って演奏を始めたのが、私たちの世代の吹奏楽経験者なら誰でも神様だと思って
 いたであろう「フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル」の「Mr.Jums(ミス
 ター・ジャムス)」でありました。 

 この曲は私も演奏したことがありレコードも持っているものの、この数十年間という
 もの一度も聴いたことがなく、すっかり忘れていたのですが、最初の1小節が鳴ると
 すぐに思い出しました。演奏がこれまた素晴らしかったのは言うまでもありません。

 タダでこの曲が聴けたんですから、今日は本当にいい日だったなあ・・・。
 


 2014年 7月 9日 (水)



 幕間にて。 もちろん上演中は撮影禁止である。
 うちの子供(私よりずっと歌舞伎に詳しい)に教えてもらった
 ところによれば、江戸時代の幕府公認上演の旗の色がこの
 定式幕のカラーリングの発祥らしい・・。 なるほどね。

 【 Japanese TradItion 】
 滅多にないこと家族で歌舞伎を見に行ってきました。

 一応音楽をやっている私も、邦楽となると正直全く馴染みがありません。
 舞台も歌舞伎よりはオペラのほうがずっと馴染みがあるくらいで、日ごろ
 から「これではイカン」と思っております。 日本人が自国文化より西洋
 文化のほうに馴染みがあるというのは、やはり不自然といいますかどこか
 歪んでいると思うんですね。 

 とまあそんな小理屈抜きに、実際に見る歌舞伎は面白い。 ストーリーも
 衣装もそうですが、舞踊や音楽としての完成度も改めて見ると非常に高い
 次元にあると再認識しました。 音楽でも例えばクラシックなら各楽器の
 音の頭(アインザッツ)をぴったり揃えるのが常識ですが、邦楽はそうで
 はないところに広がりや奥行きを出しているので、アンサンブルが逆に難
 しくなっているように思いました。 

 もともと北海道にもそういうファンがおいでなのか、東京あたりから来て
 おられるのかわかりませんが、いわゆる「大向こう」の方々の声(役者の
 屋号を呼ぶあれですね)も絶妙のタイミングでかかって雰囲気を盛り上げ
 ます。 

 夕方の席だったので、せっかくだからと家内と「幕内弁当(これこそ正真
 正銘ですね)」も買ってみました。 例の「定式(じょうしき)幕」の前
 で食べるそれは予想よりボリュームがあって美味しかった。

 そのうち機会があったら東京の歌舞伎座にも行ってみたいものです。何せ
 この世界ではあそこが「ムジークフェラーレンザール(ウィーンの楽友協
 会ホール)」みたいなものですからねえ。
 


 2014年 7月4日 (金)

 今も残っている沼ノ沢駅前の電話ボックス。
 今や電話ボックスそのものが希少なので、いつ無くなる
 のかと心配しながら見ている・・・。

 【 撤収準備?? 】
 前回も書きましたが、空き家になった夕張の実家を取り壊すとともに、真谷地
 にあった祖父の代の墓を現在の住まいの近くに改葬しようとしております。
 家のほうは老朽化が激しく倒壊の危険もあるためで、お墓のほうは私たち自身
 が老朽化してきて自家用車に頼れなくなった時のことを見据えてのことです。

 どちらかと言うと家を取り壊すほうは業者任せでそれほど大変ではないのです
 が、お墓を移すほうは中々面倒です。 そもそも調べてみると、お墓の使用者
 (管理者)がまだ祖母(35年も前に亡くなっている・・・)のままになって
 いて、そこから変更していかなければなりません。 昔はけっこういい加減な
 ものだったんですねえ。

 叔父と相談して、楓の母方の墓も今度は同じ墓所に移転することにしました。
 楓のお墓は墓地の中でも最も高い場所にあり、足場の悪い急な坂を登らねばな
 らないため、わが家以上にお参りするのがしんどいのです。祖母などは数年前
 から行くことができなくなっておりました。

 そんなわけで夕張への墓参りも今年が最後、家も取り壊してしまうと夕張へ足
 を運ぶ機会はいよいよ減ることになるでしょう。 墓参りに行かないとなると
 「おーやま」のカツカレーも食べる機会がなくなるよなあ。 いろいろ考える
 と寂しいことが多いのですがやむを得ません。 歳月人を待たず、ですねえ。
 


 2014年 7月 1日 (火)

  箏とフルートの組み合わせは珍しいと思う。

 【 コンサート 】
 今日から7月。 今年も後半戦に突入するなんて全く信じられない早さです。

 話題は少し遡りますが、6月21日に北海道作曲家協会主催で「第2回北海道
 の作曲家展」というコンサートが開催されました。 昨年に続いての開催で、
 会員の作品だけでなく、一般公募による作品も演奏するという企画で行われて
 います。 手前味噌になりますが、非常におもしろいコンサートです。

 会場が渡辺淳一文学館(キタラのすぐ裏手です。)という93席しかない場所
 であることもあって、今年も補助席を設けなければならないくらいの盛況とな
 りました。

 今年は「フルート曲」ということで募集していたのですが、箏や尺八といった
 和楽器のほか、テナーホルンなんかも登場して非常にバラエティに富んだ構成
 となり好評を博しました。 「北海道の作曲家展」は来年以降も続けていこう
 ということになっておりますので、機会があったら是非足をお運びください。







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音風景・夕張

ユーパロ谷 気まぐれ日記