音風景・夕張 日記TOP




2022年02月


 2022年02月26日(土)  
 Wikipediaより ハルトマン画「キエフの大門」 
【 展覧会の絵 】
ムソルグスキー作曲のピアノ組曲「展覧会の絵」は、原曲よりもラヴェル
 がオーケストラ編曲したもののほうが有名です。 原曲と聴き比べても、
 多彩な曲想は、ピアノ一台よりも大編成のオーケストラによって生きてく
 るという印象はあります。

 「展覧会の絵」はムソルグスキーの友人である画家で建築家のハルトマン
 の絵にインスピレーションを得て作られた曲です。 ラヴェル編曲版なら
 トランペット・ソロで演奏される「プロムナード」から始まる組曲の最後
 はオーケストラのテュッティ(総ての楽器が鳴る)による「キエフの大門」
 で締めくくられます。 大径のゴングまで使う壮大なエンディングです。

 「キエフの大門」に相当する門は実はキエフに実在しません。 あくまで
 右写真のハルトマンの絵がモチーフのようです。

 改めてキエフ市内の画像を見てみると、壮麗な建物がいくつもあります。
 歴史的価値がある建物も多い美しい街です。

 そのキエフはご承知のように、いま戦禍に巻き込まれています。 暴挙と
 しか言いようのない愚行です。 ムソルグスキーはロシア人、しかも陸軍
 士官学校出の将校(教科書に載っている彼の肖像画は亡くなる直前に病院
 のガウンを着て描かれたもので、実際の彼はエリート然としたカッコイイ
 人だったようです)でしたが、果たしてこの事態を望んだでしょうか。

 今日は2月26日。 86年前の「二・二六事件」は陸軍のクーデターで
 すが、実は海軍も動き出していました。 翌27日には東京湾に集結した
 海軍第一艦隊は、旗艦「長門」以下、主砲の照準を反乱軍が占拠する都内
 各地に合わせていたそうです。 実際には発砲しなかったものの「多少の
 犠牲はやむなし」としたこの作戦、大口径の戦艦の主砲を直接標的が視認
 できない遠距離から市街地目がけて打ち込むわけでしょ。 周辺の犠牲者
 が「多少」で済むわけない、と誰でも思いませんか・・・。

 いつの時代でもどこの国でも民間人に犠牲が出ない戦闘などあり得ない。
 為政者も軍人も、人の命を損失率でしか見ていないのでしょうね。

 さきほどラヴェル版「展覧会の絵」を全曲聴きました。「キエフの大門」
 が奏でる輝きに満ちた未来が、どうか彼の地に訪れますように。




 2022年02月22日(火)
【 3枚のグラフ 】
新型コロナ感染症は相変わらず頭上の暗雲のように重く居座り続けています。 もう丸2年になるんですね。

 私はまもなく2回目のワクチン接種から6カ月が過ぎようとしていますが、3回目はいまだに接種券すら送られてきて
 いません。 そもそも2回目までの接種券はそのまま接種証明書として持っているのですから、わざわざもう一度同じ
 ような券を送らなくても、前のを提示すればそれで3回目も接種できるようにすればいいんじゃないかと思いますが、
 全く理解に苦しみます。

 日本経済新聞のサイトにコロナ感染症に関する色々な図表が出ていますが、その中から3つのグラフを転載しました。

 左端は国別の人口1000人あたりのPCR検査数ですが、日本は最小ランクであることがわかります。 オミクロン株が
 感染爆発中の今でも1000人あたり3人に達していません。 検査数の多寡の是非は横に置いても検査数が他国より非常
 に少ないことは事実です。

 そのうえで今度は中央のグラフを見ましょう。 こちらは検査を受けた人の中で陽性と診断された人の割合で、日本が
 飛び抜けて高く、もう少しで50%に達しそうなレベルであることが判ります。 この2つのグラフから言えることは
 日本はほんのわずかの本当に疑いが強い人だけしかPCR検査をしていないので、その中から高い割合で感染者が出る
 ・・つまりもっと検査を増やせばはるかに多い感染者が見つかる可能性が高い、ということです。 一桁多い、なんて
 こともあるかもしれません。

 それで右端のグラフを見ますと、感染者数に対する死者の割合が日本は非常に低い、しかも上述したように、感染者数
 は実際よりかなり少ない数値になっていそうですから、日本では致死率が極めて低いということが判ります。 これは
 ひとえに医療現場の方々の努力の結果で、それだけ医療従事者に負荷がかかっているという見方もできます。

 最近の国会の答弁を聴いていても理路整然とはほど遠く、分科会ですら?マークがつく発言が目立つようになったなと
 感じています。 基本、自分の身は自分で守るしかありません。 最近は感染者数はピークアウトしたという報道もあ
 りますが、日本の場合感染者数の数字は実態とかけはなれている可能性が高い。 中央のグラフを見ると10月あたり
 から年末くらいまで、警報が解除されていた期間は陽性率も低かったことがわかります。 ここが下がるまでは人出の
 多い場所、マスクを外さなければいけない場所(飲食やカラオケ)、天井が低いなど容積が小さくて換気の悪い部屋、
 などには近づかないように気をつけるしかありません。 仕方ないけどもうしばらく我慢しましょう。
 

   




 2022年02月17日(木)
 
  ダンプトラックとロータリ除雪車。


 
 画面奥が雪を掻き出すバックホウ、
 手前がVプラウ付きショベル(ホイールローダ)
【 毎年のショー 】
なんか今月になって雪の話ばかり書いてますが。

 本日ようやく町内の排雪作業が行われました。 毎年、町内会の出費の中
 で最大の支出先であり、唯一7桁の金額を計上している費目であります。

 今年はとんでもなく雪が多いので、まず日程が遅れました。 本来ならば
 8日から5日間(1日休日があるので作業は4日間)の予定だったのに、
 前の町内会の作業遅れが蓄積して、うちの町内会の作業が開始されたのは
 1週間遅れの15日でした。 しかも町内会の除雪は丁目の数字の少ない
 順から作業するので、わが家の作業は日程の後のほうなんです。除雪作業
 中は車の出入りができなくなるので、実際の作業日を読んで車を移動させ
 たり、荷物の配送を変更したり・・・毎年けっこうバタバタします。

 それでも実際の除雪作業はメカ好きの私にとって、作業関係者には申し訳
 ないけれど、土木機械の実演ショーみたいなもので見ていて飽きません。
 
 今年は地震などの災害に備え意識して2階のバルコニーの除雪をしていた
 ので、この数日晴れたこともあってバルコニーの雪はゼロ。 格好の撮影
 ポイントになりました。 何しろあまりに家の目の前なのでレンズの画角
 が足りずにいつも構図が取れてない写真ばかりだったのです。今年は撮影
 位置が高いので、楽に広い範囲が写せました。

 心配していたダンプ不足も、今日の作業については感じませんでした。
 ただ最も肝心なロータリ除雪車でダンプに雪を積み込む作業(写真上)の
 作業が行えるまで、最初に道幅を拡げるのが大変で、ショベルが何往復も
 した後、1台目のロータリが片方の道幅を拡げながら雪を反対側に寄せ、
 2台目のロータリがダンプに積むという手順で作業していました。 もう
 30数年ここに住んでいますが、ロータリ除雪車を2台同時に使ったのは
 初めて見ました。

 ダンプに積んだ後は、歩道の雪をバックホウが道路中央に掻き出していき
 ショベルがそれを押していくという手順(写真下)です。 おかげで交差
 出来ないほど狭く、歩道より低いはずが逆に30cm以上高くなっていた
 車道が、舗装や縁石が見えるまでになりました。

 毎年この機械のショーが終わると冬も終わり。 春はもうすぐそこです。




 2022年02月11日(金)
 
   手前の赤茶色が我が家の屋根。

【 向きは大事 】
建国記念の日、今日は祝日です。 昔は「旗日(はたび)」などと
 言いましたがそれも私の世代まで。 最近は死語と化しています。
 そういえば昔、夕張の実家の玄関脇の柱には、金属製の旗竿支持具
 が取付てありました。 そこに差し込む40cmほどの旗竿と先端
 にねじ込む金色の球もありました。 使ったのは見たことがありま
 せんでしたが、祖父の代までは使っていたんでしょうね。

 周囲の除雪は遅れていましたが、角地の我が家の一方の道路には、
 昨日ようやく排雪作業が行われ、わき道から表通りに出る時の視界
 不良は改善されました。もう一方の道路は町内会と市が共同で実施
 していますが、本来は昨日から開始されるはずが、どうやら一週間
 以上は遅れるらしいです。

 悪い想像をすれば、この時期に強い地震が来ると、屋根に大量の雪
 が載っていますから、古くて耐震性に劣る我が家などひとたまりも
 無いのではと心配になります。

 そこでバルコニーの梯子から屋根を覗いてみたのですが、予想より
 雪の量はずっと少なく、スノーダクトの谷底に少し残っている程度
 でした。 安心しましたが、周囲を見回してみて気が付いたのは、
 同じスノーダクト式の屋根でも、残雪の量に差がかなりあること。

 思い出したのは家を建てる時に建築業者が「このあたりには何軒も
 スノーダクトの家を建てたけど屋根勾配の向きで融け方が全く違う
 んだよね」と話していたこと。 ちなみに我が家は業者さんが良い
 という、スノーダクトの谷筋が北東に伸びる方向になってます。

 写真の手前の赤茶色の屋根が我が家で、ご覧のとおり上面は鋼板が
 見えていますが、90度向きが違う隣家はご覧のとおりの雪の量。
 さらに右奥の家は我が家と同じ向きで、やっぱり少ないですよね。
 写真と反対側を見ても状況は同じなので、風向きなのか日照なのか
 いずれにしろ差はあるようです。まあ我が家の場合は屋根のすぐ下
 の部屋でも個別に暖房を使うので、その影響も大きいかもしれませ
 んが、建築業者さんの経験則はバカにならないみたいですねえ。




 2022年02月05日(土)
 
 ダンプがまばらにしか来ないのが歯がゆい・・。

【 午前4時から 】
道路の両側の雪がいよいよ高くなり、一日も早く排雪してほしいと
 思っていましたが、今朝4時前からやっと作業が入りました。

 ロータリー除雪車とダンプカー、それに大型のショベルがセットで
 やってきて道幅はだいぶ広くなりましたが、歩道と車道の間の雪山
 はまだ残ったままです。 同じ通りの二区画先はその雪山もきれい
 に無くなっているので、今晩にも続きをやってくれるんじゃないか
 と期待しています。 大型の車両が稼働するので、我が家はまるで
 地震が来たように揺れて眠れたもんじゃないですが、これは仕方が
 ないでしょう。

 ただ見ていると、1台のダンプに雪を積んで運び出してから、次の
 ダンプが来るまでに時間がかかり過ぎる。 なかなか次のダンプが
 やってこないんです。 ダンプさえ次々に来ていれば、除雪作業は
 はるかに早く終わっていると思いました。 これについては実態を
 この目で見ても報道されている通りだなと思いました。 土木建築
 の需要が高度成長期のように通年確保される時代ではありません。
 難しい問題ですね。




 2022年02月01日(火)
 
 雪かきの長さはほぼ私の身長。 もう雪を積めない・・。

【 これでもかというくらい雪 】
ここ数日ひたすら雪です。 昨日などは朝6時半から1回目の除雪
 を始め、午後9時に三回目の除雪が終了・・・もうへとへとです。

 札幌の昨日の夜までの積雪は96cm、平年のほぼ5割増しの積雪
 です。 ちなみに今シーズンに入ってからずっと平年値を下回って
 いた夕張も昨日現在123%となりました。 道央道南はほとんど
 どこも平年より雪が多い冬になっています。

 わが家の前の歩道も写真のように私の身長より高い(写真の雪かき
 の長さがほぼ私の身長)雪壁になっていて、人力でこれ以上の高さ
 に積み上げるのは無理です。 車も交差することはできないので、
 何とか早いところ運搬排雪を行ってほしいのですが、何が不足して
 いるかというと、ダンプの台数が年々減っているので、簡単に除雪
 のテンポを速められません。 ここが厳しいところです。

 もうひとつの大問題であるコロナは、拡大の一途を辿っています。
 オミクロン株は重症化率が低く、大騒ぎするほどでもないとの主張
 も目にしますが、これだけ感染者が増えればその中から新たな変異
 株が発現する確率も正比例して増える、と考えるのが妥当だと思い
 ます。 その変異株の危険度は予測不能なわけですから、楽観的な
 気分にはとてもなれません。

 何度も書きましたが、感染症が収束するのは「決定的な予防法」と
 「決定的な治療法」が確立されるか、人類全部が感染しつくした時
 です。 現時点では3回目のワクチンを接種するのが、選択肢の中
 では最善なのかな・・・いろいろ不満はあるけどね。