相変わらず毎日コロナウイルスの話題ばかりです。 今や
欧米の感染者数が急激に増え始め、3月21日正午現在で
日本経済新聞の図表によるアメリカの感染者数は15219人、
同じくドイツは14138人、フランスは12612人、スペインが
19980人、最も危機的なイタリアは47071人・死者4032人と
なっています。
イタリアは総人口が6千万人+と日本の半分であることも
合わせて考えると、相当に危険な状態です。 日本では
沖縄で初の感染者が出ましたが、この方はイタリアから成
田空港経由で帰国した方だそうですから、欧米との検疫は
強化せざるを得ないでしょう。
その日本の感染状況ですが、どこのメディアも延べの感染
者数は伝えるのですが、じゃあ退院した人の延べ人数はど
うなっているんだ、となるとどこも伝えてくれません。
延べの感染者数は当たり前ですが毎日増えてゆく一方なの
で、それだけ見せられていると不安になってきますよね。
どこも伝えてくれなけりゃ作ろうということで厚生労働省
が毎日発表する感染状況の表を元に、グラフを作ってみま
した。 それが右のグラフで、青が延べ感染者数(PCR
検査陽性者)、緑が延べ退院者数、赤が要入院者数です。
但し赤の数字については待機者等もあって現在の入院者数
と多少差があります。 その他、但し書きを要する数字も
ありますが、全体の傾向を捉えるには充分でしょう。なお
調査期間は3月1日から3月21日です。
このグラフの赤い線が下降に転じなければ、今回の感染症
が本当に収束に向かっているとはいえない・・までは確か
(今のところ感染者の増加する勢いのほうが、退院者が増
える勢いより強いようです。)なのですが、問題は縦軸
の最大目盛りです。
右の2枚のグラフは全く同じ数字を表していますが、印象
はかなり違うはずです。 上は縦軸の上限を日本の総人口
の約1万分の1である1300にしていますが下はその10倍
の13000となっています。 ちなみにドイツやアメリカは
冒頭に書いた通り、すでに下のグラフの上限を振り切って
います。
上のグラフを見ていると「何だ収束するどころかどんどん
悪化しているじゃないか」と感じるでしょうし、下のグラ
フを見れば「欧米よりは何とか感染を抑えているな」とい
うことになるでしょう。 どちらの見方もウソではありま
せんが、どちらかを真実と断する根拠もありません。事実
を伝えるというのは、つくづく難しいことだと思います。
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