祖母が亡くなって、四十九日や納骨が終わり、
叔父が祖母の写真を携えて、長年暮らしてきた
真谷地を久しぶりに訪ねてきたそうです。
真谷地市街は現在全人口十数名。 すでに取り
壊された家も多く、キタキツネが白昼堂々バス
通りを横断していくような状況だそうです。
バス通りより一段高かった線路のすぐ下の道は
今はすっかり草原と化していて、街全体が徐々
に山に還りつつあるように思います。
写真左端に写る防火水槽など昔の姿をそのまま
残すものも見てとれますが、人の姿は全くなく
写真からも生気が感じられないのは悲しいこと
だと思います。
叔父は更に奥に行ってきたそうですが、二区の
始まりの踏切の先にあるゲートが偶然開いてい
たので、更に奥・二区の「合宿」のあたりまで
行ってみたそうです。しかし今は合宿も昔住ん
でいた社宅も、手前の炭鉱病院も、痕跡を見つ
けることすらできなかったそうです。
人がいなくなっても季節は変わらず巡り、今年
も真谷地に夏がやってきました。 真谷地鉱が
閉山して33年。 今残っている風景も、遠か
らず消え去っていくでしょう。 私も今のうち
に真谷地を訪ねてみようかなと思っています。
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